『…ふ~ん。
それで?』


「…って、それだけ?」



もっと、“嘘でしょー?!”とかないの?


予想外なほど落ち着いている七海に、こっちが拍子抜けで。



『…いや、てゆーかそんなことだろうとは思ったし。』



思うの?!


普通、思わないよね?!


そんなにあたしは、わかりやすいのか?!



「てゆーか、絶対結衣には秘密だよ?!」


『…ハイハイ。
わかってますって。』


念を押すあたしに、だけど七海は軽く言う。


そして、恐ろしいことを続けるんだ。



『…てか、明日ってイブじゃん?
告っちゃいなよ!』


「―――ッ!」


ポカンとしたあたしの顔は多分、恐ろしく変な顔をしていたに違いない。


だけど七海の顔は、真剣そのもの。



「…あのさぁ、あたしの話、聞いてた?」


『…何が?』


問うあたしに、七海は不思議そうに顔を傾ける。



「…結衣との友情を壊したくはないわけ。」


『…うん。』


「…だから、告るとかも、ありえないよね?」


順を追って説明するあたしに、やっぱり七海の顔は変わらなくて。



『…何で?』


その言葉に、大きなため息をついた。


七海はあたしなんかより頭が良いし、勉強だって出来る。


あたしの説明が悪いなんてこと、ないはずだ。