それからの日々は、毎日苦しくて仕方がなかった。


もちろんあれから、タケルの部屋になんて行くわけがない。


タケルの部屋と繋がる窓のカーテンは、締め切ったまま。


学校では、タケルと結衣が話してる姿を見て、胸が苦しくなって。


それをからかう七海の声に、耳を塞ぎたくなって。


このモヤモヤとしたものの正体なんて、気付きたくもなかった。



だけどやっぱり、地球は勝手に回ってて。


事件なんてものは、勝手に向こうからやってきてくれるんだ。



―ドンッ!

「―――ッた!」


体育の時間、ボケッとしていたあたしは、思いっきりボールで突き指しちゃって。


本当に、最悪なことは続くのだと思った。



『美咲、大丈夫??』


「うん、何とか。」


ヘラヘラと笑うあたしに、七海はお節介にも先生に向かって声を上げた。



『先生!
美咲、突き指したらしいんだけど。』


「…ちょっ…大丈夫だよ、これくらい!!」


制止の声も空しく、先生が口を開く。



『…そうか。
とりあえず、保健の先生に診てもらっておきなさい。』


そして辺りを見回し、声を上げる。


『このクラスの保健委員って誰だ?』



ゲッ!



『女子の保健委員は休んでるから、男子はタケルだよ!』



ゲゲッ!


この状況は、さすがにマズイ!!