「森戸君の言うとおりだわ。1度も練習すら参加しない。貴方達に、とやかく言われる筋合いは無いわ。私は決めました。今日限りで、3年生全員を強制退部とし、名簿から除名します。名前だけの部員は要りませんわ。」

3年は焦りに焦って
「ちょ、ちょっと。それは困るって。内申書に、影響するやんか。」

「それは貴方のしてきた事でしょう?諦めなさい。」

「そ、そんな…」

松内は春己に近付いた。

「森戸君」

「!」

「今日から、新キャプテンとして、頑張ってくれる?」

春己は驚きを隠せなかった。

「お、俺がキャプテン?俺なんか、実力も無いし、女の子とすら上手く話せないのに。」

「だから私は森戸にキャプテンをやって欲しいのよ。」

「実力なんか、まだ引退まで2年以上もあるんだから、焦らずじっくりつけていけば良い。それよりも私は、陸上を通じて人間性を成長出来れば、それで良いと思う。」

「で、でも…」

春己は躊躇だった。
藤沢は口を開き。

「私森戸君のおかげで速く走れるように、なったよ。私も、森戸君にキャプテンやって欲しいよ。」

「俺も森戸が良いと思うぜ。」

「何言ってんのよ。大竹君は、副キャプテンとして、これから森戸君をサポートしていくのよ。」

ユウもまた、驚きを隠せなかった。

「森戸君!自信を持ちなさい。貴方がこの陸上部を築いて行くのよ。」

「お、俺で大丈夫かな。」

「ええ。もちろん。」

松内は笑って頷いた。


春己もまた、笑って頷いた。

ここに、春己が
キャプテンとなる。 新生陸上部が誕生した。