中間テストという
学生にとって、最悪のビッグイベントも無事終了。

1995年6月上旬

梅雨真っ只中。

雨の為、室内における、筋トレの毎日だ。

筋トレ嫌いの春己にとって、それは鬱に等しい。

「ハァ…ハァ…も、もう無理だわ。」

「おいおい、たかだか腕立て20回で、そない疲れるか?」

「俺はユウみたいに力持ちじゃ無いの。」

「そういえば、森戸君って足と腕細いよねぇ。ちゃんとごはん食べてるかねぇ。」
藤沢は笑いながら、口を挟んだ。

「朝飯は毎日は食べて無いな。」

春己は応えた。

「マジかよ。俺なんて今日朝から、カレー食ってきたよ。昨日の残りだけど。」
ユウが言った。

「朝からカレー…想像しただけで、食欲無くなりそうだ~」
「なんだよそれ。」
「まぁ、森戸君は、好き嫌いをせずに、ごはんをしっかり、食べて、牛乳もちゃんと飲めば、筋トレもできるようになるよ。」

「ふ、藤沢さん…まるで俺小学生みたいじゃんか。」

3人は、同時に笑い声をあげた。