春己は1人
夕焼け空を眺めながら、1人歩いていた。

「私ねぇ、陸上部に入るんだ。」

「いつもビリだったけん、運動に挑戦してみるんだ。」

藤沢嘉美との会話が 走馬灯のように、浮かんできた。

「藤沢さん…」
「陸上かぁ…」

「陸上って楽しいのかなぁ。」

3年4人の弱小クラブ

陸上競技

藤沢嘉美

何故か、春己の頭の中は、この3つで一杯だった。

春己は自分が小学生の時に、野球を始めたきっかけは、特に無く、ただ周りに流されただけで、当初はそれほど好きでも無かった。

だが、レギュラーになってから、野球の楽しさに気づき、
中学でも本当は野球がしたかった。

でも野球部はかなり荒れていて、春己は入りたいと思わなかった。
「俺、本当は本気で野球の事が好きじゃ無いのかもね。」

春己は自分を責めた。

そして
春己自身
陸上競技という
春己にとっては完全未知なモノに挑戦してみようと、決意した。