春己が優しく発した。

「あのさ牧田。俺思うんだけど、そんなの居場所じゃ無いよ。居場所ってのは自分が居て本当に楽しくて、落ち着く所が居場所って言うんじゃ無いかな?卓球好きなのは知ってるけど、そんな人間関係の辛い居場所に居るくらいなら、もっと良い居場所を探したらどう?卓球じゃ無くてもさ。」

感銘を受けたのか、牧田は少し黙った。
「な、何が言いたいん?」

「ようするに、陸上部に来いって事だよ。」

小山内が横から口を挟んだ。

「陸上部で新しい人間関係作れよ。きっと楽しいよ。キャプテン地味で頼り無いけど。」

「んだとコラ!」

春己は冗談混じれに 小山内にキレた。

「…どうしても卓球やりたかったら、土曜日とか、市民体育館で付き合ってやるよ。」

春己は牧田の心情を考慮して、言った。
「ホンマに俺なんかが陸上部に入ってもええんか。」

「もちろんだよ。」
春己と小山内は
会心の笑みで頷いた。

「ってか大介!入れよ。」

小山内は笑いながら牧田をおちょくった。
「…ホンマにありがとうな。これから俺陸上で頑張るわ。」
春己は笑いながら
「うん!これからよろしくな。」

「大介!入れよ!」 「大介!入れよ!」
小山内はまだふざけていた。

「うっといんじゃ。愛人!ロン毛!」

「は、ロン毛なめんなよ~」

愛人と牧田は
ふざけ合っていた。 その時春己は口を挟み、笑いながら。

「あーあ。また問題児が増えちゃったよ。愛人と福原だけで精一杯なのに~」

「なんやねん。ジミー!」

小山内と牧田が
ふざけながら、春己をおちょくった。

「ジミーなめんなよ。今日から牧田も入ったから、ビジバシいくよ~まずはインターバルー!」

「ちょ~森戸さん。いじめですか~(笑)」

「ってかインターバルって何やねーん」
牧田が加わり
東中陸上部は7人と
なった。
6月の記録会まで、あと1週間と迫っていた。