恐る恐る隣のベランダを見ると、長く黒い髪が風に遊ばれている女の人がいた…


俺はとっさに部屋に駆け込んだ。



あれは人間か?幽霊か?


どくどくと早く打つ心臓。


でも、彼女が続けたメロディー良かったな…声も良かったし表現も上手い。
俺は変な恐怖を感じていたが彼女への興味が膨らみ、頭の中に色々なメロディーが流れ始めた。


俺のアコギのアコ介でメロディーを積み上げていく。久々の好感触に朝日とおはようするまで夢中となっていた。



「………今日は自主休講だな……」




力尽きて夢と現実で揺れていると、外で革靴の音が隣から俺の部屋を通り過ぎて行ったような気がした。