病院を出た歩道のところで話すことに決め、鳴り止まない携帯をもう一度確認した。 「・・・・もしもし?」 「・・・。」 息の詰まる音だけが向こう側から聞こえてくる。 喋ろうとしない。 俺はそれに苛々して、非通知なのに出てやってんだから喋れよ っていいそうになった。 「れ・・・錬・・・・なの?」 震えた声を聞いてすぐに分かった。挙動不審な電話の仕方。 透き通った声。俺の目に浮かんだのは・・・・