まぁそのときの俺は必死で気付きもしなかったけど。 エレベーターのないマンションを必死で駆け上がった。息をきらして三階まで上った。 つーか、エレベーターつけろっつーの! 306号室。 勢いよくあけて土足のまま部屋へあがった。 「愛子っ!」 静まり返る室内。人の気配はなかった。玄関も鍵・・・開けっ放しだし。 「・・・いねぇの?」 やはり、返事はない。分かっていることだが確認してしまうのは人の性ってものだろうか??