「大丈夫っ・・・!おろすよ?だから・・・安心してっ・・・」 頬には一粒の涙。りんごみたいな淡い色の頬に涙が伝っていった。 また憎んだ。この環境を、兄弟であることを。 「・・・愛子っ・・・」 「大丈夫だもん・・・」 手を握り締めた。まるで‘あの時’みたいに。 どうしようもない俺とどうすることも出来ない子供。 俺の居場所がない気がした。