「こんなこと聞いてごめんなさいね・・・」 「いえ」 お母さんと言えど、生まれてから記憶がはっきりしているときに一度も会っていない。 敬語になってしまうのはどうしてだろう。 「いつも錬がお世話になってます」 改めてお母さんは頭を下げた。 「こちらこそ・・・・」 もうお互いに『事情』は知っている。 兄弟であるということを。