そんなある日。 「今日は何して遊ぼっか」 桜の木の下に先客がいた。 『ナツ君、あたし達遊ぶとこなくなっちゃったねっ』 今にも泣きそうな声でオレに訴えてくる。 まるで、大事なモノを 奪われたかのように……。 その声が聞こえたのか、そいつはこっちを振り向いて言ったんだ。 「僕たちも、一緒に遊んでもいいですか?」 それが、冬樹だった。 同い年なのに、どこか大人っぽいところがあるフユ。 オレ達と遊んでるときでさえ たまに壁を作っているときがあった。