やばい‥練習に行かなきゃ!



頭を上げると急に目眩がした。


『明らかに寝不足。アキにしては珍しいよな。なんかあったか?』




後ろから聞こえる低くよく通る声。


そして、今一番聞きたくない声だ。



「別に‥」


少し冷たく言う。



お願いだから‥今はそばにいないで。


『そか。ゆっくり休め。顧問にはおれから言っとくよ』


そう言って、宿舎から出ていくフユの背中がなんかいつもと違って見えた。