『今日はどこ行くわけ?』 「えっ?」 『今日はアキに着いて行くから、リードしろよっ』 そう言うと、左手をうちの右手の上に重ねてきた。 『ほら、早く行って』 初めて繋いだ手は温かくて、外の寒さを忘れるくらいだった。 ドクッドクッと心臓が鳴り止まない。 フユの手の温もりが直に伝わってくる。 ‥人の手ってこんなに暖かいんだ。 この手を…離したくな、いっ そう思った。