◆~秋菜side~◆


"あの日"以来、幸いなことにフユは学校に来ていない。

顔を合わせなくてすむ。そう思うと気が楽になった。


返事も聞かずに帰っちゃったけど‥フユ、来てくれるかな…っ。

あーだめだめっ。余計なことは考えないって決めたんだから!



例えフユが来てくれなくても‥待ってるだけでいいんだ。



あの桜の木の下で、待つことに意味があるから。


でも‥もし来てくれたら、



最高の1日したい。


男の子ってどこ行きたいんだろ?

うちじゃあイマイチよくわかんないな…




あっ、一人いる!


電話で聞いてみよっ、か。



そう思い、電話帳のナ行にある番号を押した。