四月二十五日。
その後は、何事もなく時間が過ぎていき、入学してから時間がたった。

雫はクラスのアイドル的な存在で、人望も厚く、このクラスには欠かせない存在になっていた。

一方、僕は馴染むことが出来ずいつも、一人でいた。

今日、僕は雫を呼び出した。
聞いておきたいことがあったからだ。

指定した時刻となり、雫がきた。

「なぁ……楽しいことって何なんだ?
俺にはわからないんだ。前にお前に言われてから復讐したくなくなった。
だが、復讐を取ったら生きていけないんだ!」

これは、僕の心からの本音だ。

そして雫は、こう言った。
この言葉が、僕から復讐の呪縛を解き放った。

「じゃぁ私があなたにとって欠かせない存在になってあげる!」

は?
意味が全くわからなかった。
何を言っているのかと思った。

「私が一緒に楽しいことを探してあげる。
そしてそれを見つければ生きるために必要になるでしょ?」

雫は、笑顔でそう言った。
いまだに僕には意味がわからない。
何故、ここまで僕の為にしようとしてくれるのか。

「だから一緒に頑張ろうよ」

僕は、涙が出た。
いままで僕に優しくしてくれたのは、親友の奴しかいなかった。
だが、そいつは死んだ。
今の俺には何も無いと思っていた。

だが、雫がいた。
それだけで十分だった。

「うん………うん!」

この頃、僕の頭には復讐なんて消えていた。


四月二十五日 Fin~