「ゆり、卒業したら結婚しよう」

ゆりが、恥ずかしそうに顔を赤らめて頷いた。

二人はまた抱き合った。

ずっとこうしていたい。

こんなに満ち足りた気持ちになるのは初めてだった。

「私たち、ずっと一緒だよ」

「ああ、ずっと一緒だ」

二人は唇を重ねた。

この幸せは永遠に続くように思われた。

ある人を愛する、その人に愛される。愛されていると信じることが出来る。

簡単なようですごく難しいことだと思った。

真也とゆりは今、その難しいことを成し遂げていた。

何者も二人を別つことは出来ない。

二人ともそれを確信していた。