ひといちばい、鈍感な君へ。




「まあ…ね。」




髪を耳にかけながら話す奈々。


「でも…その人、私の事何て全く見てなくてさ…。むなしいにも程があるよねぇ。」


少し眉を下げて話す。


そいつの事…ホンマに好きやねんな…。


俺までむなしくなってきた…。



「こんな話し、松田にしても意味ないよねー!」


ちょっと馬鹿にしたように言う奈々に、


「あっそ…。」


つい、冷たく返事をしてしまった。