沙「はぁー。」
……京ちゃんには会えないのかな??飛び出してきたのはあたしなのに京ちゃんにすごく会いたい…。
河辺町出発します。
沙「あっ!?」
あたしは急いで電車に駆け込んだ。そして一つだけポツンと空いてる席に腰をおろした。
すると、1人のお年寄りが立っていた。
沙「お婆さん、どうぞ?」
あたしが手を差し伸ばす。
お婆「本当かい?すまないねぇ。」
沙「いーえ。」
あたしはお婆さんに席を譲り、ドアの前にもたれ掛かった。
『ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン』
ドアにうつって見える自分の顔、体。
いろんな男に抱かれた体。
いろんな男に触れられた顔。
そーだよね…。
こんなあたしに好きなんて言われたって信じてもらえないよね…。あたしの言葉なんて安っぽいって思われたかもね…。
もう、会えないんだ…。
もう、会えない…。
……会いたい…。
会いたいよ京ちゃん…。
でも……、
「沙羅さん。最低です…。」

