う……そ…ですよね?



沙「ごめんね。あたしが騙されなかったら、京ちゃんを傷付けることはなかったのに…。でもあたしは、はのんさんに幸せになって貰いたかった以上に赤ちゃんや京ちゃんが幸せになって欲しかった。」


彼女が俯き、シーツを握った。



沙「あたし、『孤独』がどんだけ苦しいか寂しいかわかっているから赤ちゃんには同じ思いさせたくなかった―…。」



はっとした。
彼女はまだ高校生。なのに、相手の幸せを考えて自分は身を引く…。








そんな彼女の想いがあったのに僕は…、





















“もう、僕に関わらないで下さい。あと、早く出ていって下さい。”



何てことを言ったんだ。
頭を押さえる。


ギュ―


沙「そんなの気にしなくていいんだよ?あたしが騙されちゃったんだから。」



キュ―


胸が締まるように苦しい。
そんな顔しないで下さい。
もう、僕は貴女から離れませんから―…。













京「大丈夫です。僕がはのんに話しますから。」


沙「………うん。」