美樹さんは、俺より二つ上で、昔から良くお世話になった。




すると、


「おい、美樹」


とかなり低い声で、言う総長であり、俺の兄でもある海人(カイト)。


「何〜?」


「斗和から離れろ」



「なんでよ〜」


とムスッとした美樹さん。



「いいから離れろ」



と更に低い声で、兄貴が言うと美樹さんは、絡めていた腕を、スルッと渋々離した。




「斗和来い」


と言って、歩きだした兄貴の後についていく。




ソファーにドカッと、座った兄貴。



そして、座れと言うと煙草に火をつけた。



俺は、机を挟んだ向かい側のソファーに、腰を下ろした。