いつもの道は通らない


貴方に出会ってしまうから


三年生の近くの階段は使わない


貴方とすれ違うから


朝会が始まる前に貴方の声が聞こえても


気づかない振り


「未樹っ!」


気づかない振り…


「未樹っ」


腕をつかまれる


「オイっ未樹!」


「…何。」


あたしは小さな声で言う


「何だよ朝何でこなかったんだよ。」


「…。」

あたしはそのまま自分のクラスに行こうとする


「未樹…!」


桑田くんはあたしの震えた腕をつかんだまま


そのまま唇をふさいだ


「やめてっ!」