ある遠い遠い外国に
ココという赤い髪の女の子がいました

ココが住んでいる国では家の精霊に感謝の気持ちとして満月の夜にはグラス一杯のワインを玄関の前に置いておくという習慣がありました



今日も満月の夜です

物知りなお父さんが優しい声でココに言いました

「ココ、家の精霊にワインをあげてきてくれるかい?この家に引っ越してきて最初の満月だから精霊さんによろしくといっておいておくれ」


ココは今までは大都会のマンションに住んでいました

ココにはロロという弟がいるのですが少し体が弱いため家族で自然の豊かなこのキイナ村に引っ越してきたのです


「うん、前のお家のときは精霊さんに会えなかったけど今度は会えるかなっ?」


「うーんどうだろうねぇ、今の家は随分自然も多いところだからもしかしたら会えるかもね」