「嫉妬だね」
「は?」
嫉妬?
それは俺が全く聞き慣れないセリフ。
なんだって?
「晴紀、先生に嫉妬したんだ」
「俺が?」
「うん」
楽しそうに微笑み、ぐいっとコーヒーを飲んでいる。
俺が、先生に嫉妬?
え? なぜ?
混乱していると、レオはつまりね、と説明してくれた。
「晴紀は美紗って子が気になる」
「気になるっつーか……」
おもちゃ的感覚だった。
からかいがいがあって、ちょっかいかけると面白い。
「それを他の男が横取りしようとした」
「横取りって」
そんな大袈裟ものじゃない。
「でもそれが面白くなかったんだろ」
まぁ、確かに面白くなかったかもしれない。
「独占欲。嫉妬。そのこころは?」
人差し指をぴっと立てる。



