「しかし、英語がペラペラなのは羨ましいですね」
「先生は嫌いですか? 英語は」
「数学のほうが得意ですね。まぁ、相川さんは苦手なようですが」
「あ、ばれましたか」
ギクッと顔が引きつると先生は苦笑した。
担任なのだからまるわかりだろう。
これは次のテストは頑張らないとな。
次のテストを思い浮かべて重くため息をついた。
それからは結構あった片付けも先生と他愛のない話をしていたら、あっという間に半分が終わった。
気がつくと外が薄暗くなり始めている。
「あぁ、もうこんな時間だ。今日はもういいですよ。残りは僕がやりますから」
先生は大きく肩を回し、時計を確認した。
「え、でも、まだあとちょっとだし」
「なら、また明日手伝ってもらえますか?」
私の言葉にくいぎみで先生は顔を輝かせる。
そんな期待の目をされても困るけれど。
う~ん、仕方ない。ここまで頑張ったし、乗りかかった船だ!
最後までやりきるか!



