「で、そんなに可愛いの? 美紗ちゃんだっけ?」

「またその話かよ」


雑誌、歌番組の収録と、仕事が終わりやっと帰れるというなか、龍太郎がエレベーターの中でつぶやいた。
ちなみにマネージャーは車の用意のため先に駐車場に降りたため、ここにはMarsしかいない。


「可愛いよ。なんか小動物みたいな感じ。しかも晴紀と同じクラスなんだ」


陸が答える。
もういいよ、好きに話してくれ。


「同じクラスかぁ。いいなぁ、高校って」

「自分だってちょっと前まで高校生だったろ」


隣にいた鉄ちゃんが苦笑する。
二人はうちの年長組で、すでに高校は卒業している。


「青春だね。晴紀にも春かぁ~」

「はぁ!?」


春ぅ!?
なんだよ春って!?