晴紀は苦笑して私の涙を指で拭う。


「俺だと思ってつけてて。側にいると思えるだろ」

「うん」


大きく頷くと晴紀が嬉しそうに笑った。


「美紗が嫌だって言ったって離さねーからな」


そう言われて堪らずうん、と晴紀に抱き着いた。
広い腕の中にすっぽり入りこんでしまう。
暖かく優しい温もり。


「ありがとう、晴紀。凄く嬉しい」

「うん」


あぁ。やっぱりこの腕の中が1番安心する。

一瞬で心が満たされる。

すると晴紀は耳元で聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で囁いた。


「俺が一生まもるから」


“一生”


そのフレーズがなんだかくすぐったい。

私、今、凄く幸せだと思った。