首に感じた違和感。
おや、なんだろうと見るとそこには。


「これ…………」


そこには、見覚えのない赤い石が埋め込まれた、可愛いネックレスがかけてあったのだ。
どうやらキスした時に首にかけられたようだった。
なにこれ、と晴紀を見ると照れたように頬を掻いた。


「ツアーの時に、知り合いのデザイナーに作ってもらったんだ。オーダーメイド」

「それってひとつだけってこと?」


そう、と晴紀はネックレスに触れる。


「いつもつけてて。俺のものってことだから」


“俺のもの”


いつもならキザだと笑い飛ばすのに、何でだか
今日は涙が溢れてきた。