ーー 「もうっ、やだ……」 「泣くなよ」 晴紀が困ったように見つめる。 それに私はキッと恨めしげに睨んだ。 「なによ。自分だけスッキリしちゃって」 「だから、悪かったってば。ほら熱上がるぞ」 そう。昨日とは一転。 今ベッドに寝ているのは私である。 昨日のキスで晴紀の風邪は完全に私に移ったのだ。 今度は晴紀が看病している。