あっと気がついたのだ。
そうだ。ちゃんと伝えなきゃいけない。私の気持ち、伝えなきゃ晴紀には伝わらないし、ずっとこのままだ。
晴紀に気を使わせたくないし、私を知って欲しい。


「あのっ、でもね?」

「うん?」

「晴紀だから、赤くなるんだよ」


突然のはつげんに晴紀がちょっと驚いた顔をする。
急に言われてビックリといった感じだ。


「晴紀じゃなきゃ、ドキドキしないし、赤くもならないよ?」

「美紗……」


本当のことだから。
アイドルだからとか、美形だからとか、そんな単純なことだけじゃなく私は佐々木晴紀だから
好きなんだ。

どんな状況であれ、それだけは晴紀に伝えたい。

すると晴紀は切なげにキュッと唇を噛む。
一度逸らされた目が再び私に戻されたとき、その目の色が違うことに気がついた。


「ごめん。もう、これ以上は無理だわ……」