「会いたかった。美紗」 ずっと。 仕事中も美紗を忘れたことはなかった。 「私も会いたかったよ。待ってた」 美紗の笑顔に癒された時外から花火の音が聞こえた。 そうだった。今日は……。 「ごめんな。花火大会行けなかったな」 「いいよ。別に」 気にしてないという風に笑顔で首を振るが、でも、きっと楽しみにしていたはずだ。 玄関には下駄があった。浴衣を着るつもりだったのだろう。