歩きながらポロポロ出てくる涙をごしごしと腕で拭う。それでも次々と溢れてきた。
なによ! なによ! なによ!!
ずっと! ずっと……会いたかったのに。
晴紀に会いたかったのに追いかけて来てもくれないの……?
ふり返っても晴紀の姿はない。
なんでこんなことに。
「どうしたの」
トボトボ歩いていたら、不意に声をかけられ、顔を上げると男の人が目の前に立っていた。
西日が出始めてるせいで逆光になり、一瞬誰かわからなかったが声で察しがついた。
「泣いてるの?」
「レオさん?」
眼鏡と帽子をかぶっているが、そこには氷山レオがいた。
「相川さんだよね。何かあったの?」
「あ、これは」
「ケンカでもした?」
やっぱわかるか。



