「おかえりなさ……って、えっ!?」 「久しぶりだなぁ! 美紗ー!」 そこに立っていたのは、晴紀でも何でもない。20代くらいのスーツ姿のサラリーマン。 しかし、その人はよく知っている人だった。 「由季兄ぃ!?」 私の驚愕の声に目の前の人はにっこり笑う。由季兄ぃと呼んだその人は、アメリカにいる父の秘書で私の幼なじみだった。 子どものころから私の実の兄のような人だ。