『良かったね。美紗』
電話越しの結衣もなんだか声が明るい。
晴紀から連絡があったから、もしかして結衣の方も陸から何かあったかもしれないと思って電話をしてみた。
「うん! 結衣は?」
『実は私も、海に行く約束した』
「やったね、海?」
『って言っても、夜しかいけないけど』
苦笑する結衣にそうだねと頷く。お互いそこは辛いところです。
結衣と電話を切って、カレンダーを見る。
今日は晴紀が帰ってくる。
そのあとはちょっと休めるって言ってた。
しばらくは一緒にいる時間も増えるかもしれない。
それだけで顔がにやける。
早く帰ってこないかな。
と、そのとき、ピンポーンとインターホンが鳴った。
晴紀かな!?
急いで玄関に向かう。



