晴紀。
どうしたらいい? すっごく嬉しい。
目頭が熱くなり、それをそっと押さえる。
涙声にならないように明るい声をだした。
「ありがとう!」
『あぁ。じゃぁ、本番始まるから、またな』
電話が切れるが余韻に浸るように画面を見つめる。
嬉しい。かなり嬉しい。
だってこれ、デートだ! めったにできないデートの約束だ。
急いで浴衣をさがした。
「んふふ」
自然と笑顔がこぼれる。
晴紀が忙しい中、私と同じ気持ちでいてくれたことが何より嬉しい。
ちゃんと考えてくれていたんだ。
それが嬉しい。早く明後日が来ますように…。



