コンコン。 夜、部屋で本を読んでいると「美紗、今日のノート写させて」と晴紀が自分のノート片手に部屋に入ってきた。 この人は相変わらず返事を待たずに部屋をあける。 それにもそろそろ慣れていた。 「あ、机にあるよ」 「ん~」 晴紀は机に出してあった私のノートを書き写し始めた。 書き写しているだけなのに、真剣なその表情に見とれてしまう。 “恋人に求めるのは自然なことよ” 結衣の言葉を思い出す。