その夜。


「久しぶりー、美紗チャン!」

「あ、龍太郎さんだ。こんばんは」


龍太郎は家に着いてきて、美紗によっと手を降りお構いなしに、家に入っていく。


「ごめんな、急に」


俺はお茶の準備をしている美紗に囁いた。


「いいよ。龍太郎さん、楽しいし」

「んふふ、ありがとう。美紗チャン」


カウンターごしに、龍太郎が嬉しそうに笑う。


「龍太郎さん、コーヒーに砂糖は?」

「いらないよ。ミルクはちょうだい」

「了解」


突然やって来てちょっとは遠慮しろよと思うが、美紗も嬉しそうにしているし、強くは言えない。

前は仕事のためにうちにきたため美紗は気を効かせて席をはずしていたが、今回はただ遊びにきただけだから龍太郎とリビングに座り、楽しげに話をしていた。