怒ったまま美紗はキッチンの方へ向かったが、あきらかに俺から逃げている。 逃げたな。 俺は追いかけ、その手をとった。 「俺の商売道具である顔に頭突きした美紗チャンには責任とってもらわなきゃな」 「なっ!」 ニヤリと笑い、美紗が振り向く前に後ろからギュッと抱きしめる。 俺の腕の中にすっぽり入る。 さっきの二の舞にならないように、少し強めに抱き締めると、美紗の長い髪からはいい香がしてそしてその首筋に顔をうずめた。 「やだ! 晴紀!」 美紗の身体がビクッとする。