「美紗のことが好きだからだよ」

「晴紀?」


耳を疑い、まさかと顔をあげるとキレイな晴紀の顔が私を見ていて、でも、目は見たことないくらい真剣だった。

それはアイドル顔でもない、意地悪な顔でもない、初めてみる晴紀の顔。

晴紀は微笑み優しい声で言った。


「好きだ。だからずっとこうしていたい」


晴紀はクスッと笑い、私のほっぺたを撫でた。


「また泣いてる」

「えっ?」


気がつくと、渇いたはずの涙がまた流れていた。