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「今年の全校レクは“鬼ごっこ”。ルールは簡単よ。制限時間内に、鬼役の先生、生徒会役員、各クラスの委員長に捕まらなければいいの」

「簡単だな」


田中に今年の内容を教えてもらう。
今年は個人戦だ。参加することに意味があるので、参加してからサボっていても言い訳はつく。
俺と陸は同じ考えに至ったのか安堵のため息が出る。
団体だと常にみんなに見られているから、振る舞いに気を使う。
今回の内容は生徒会が検討したってことだから、もしかしたら田中が俺たちのために配慮してくれたのかなとも思った。


「楽しそうだね~」

「美紗ちゃんは初めてだもんな。けっこうみんなマジなんだよー」


陸は地面に寝転がりながら言う。

最近、この四人で屋上に来ることが多い。
田中と陸が付き合いだしたと言うのもあり、なんとなく四人でこっそりと貯まって過ごすことが増えたのだ。
俺としてはありがたい。


「先生達も本気になる人もいるしね。あ、美紗も気をつけなよ?」

「ん? 何が?」

「斎藤先生のこと」