結衣が黙ったことで二人の空気が変わった。もちろん良い風にではない。
これはまさか……。
やはり、上手くいかないのだろうかと見ている方も悪い考えが浮かぶ。

どうしよう。結衣は陸が好きなはずだから断ったと思ったのだが、まさか逆に陸との幼馴染みの関係を続けるために他に好きな人を作ろうとしていたいたりして。
だったら、告白にもあえて良い返事をしているかもしれない。

二人の剣呑な雰囲気に考えが悪い方へと向かい、私は思わず隣にいた晴紀の制服をギュッと掴んだ。


「……」


すると、急に晴紀がぐいっと私の腕を掴み歩きだした。


「なっ!? 何?」


突然のことでただ驚くばかり。

どうしたの!?

訳がわからなかったが、晴紀は構わず私を引っ張っていく。

しばらく歩き、ついた場所は屋上だった。