晴紀に着いていくとそこは屋上だった。

屋上には誰もおらず、周りを気にしなくてもゆっくり過ごせそうだ。
風が心地良い。
フェンスに寄りかかった晴紀にそっと聞いてみた。


「ねぇ、やっぱり陸くんって」

「あぁ。田中が好きみたいだな」


やっぱりなぁ。実は前からそう思っていた。
なにかっていうとうちのクラスくるし、結衣にばかりちょっかいをかけている。
幼馴染みという関係性もあるが、それ以上の何かを感じていた。


「でも当の田中は気づいてねーけどな。てか、お前らはそんな話しねぇの?」

「うん。あまり」


そういえばあまり恋愛話していない。
あえてしていなかった訳ではないが、思い返せばそう言った会話は少なかった。
というか、特に結衣のをしてない。
今度聞いてみようと心に決めた。


「……お前は?」

「ん?」