見上げると空が青かった

――ナンニモナイ……

突然、ある記憶が蘇ってきて、ワタシはその場に座り込んだ

そうあの日の空もこんなだったかも知れない……

プールの不快な水音

空気の替わりに吸い込まれる水

夢中でつかんだ腕

その腕は柔らかく、かあさんの腕だってスグ分かった

ああ、良かった

もう大丈夫だ

ワタシは生きた