「ホントは昔一度だけ好きな子と来たことがあるんだ」

「やっぱり……」

ワタシはステルスがあっさり白状したのも、手管なんじゃないかと疑いながらも、無邪気な笑顔につられて笑顔になる

「実はその思い出のホテルなんだ
 その後はずっと1人でしか来たことがなかったよ」

「そんなに大事なんだ、その娘との思い出が……」

ワタシはなるべく嫉妬の気持ちが出ないように苦労してしゃべる

「そうだね。
 ホントに好きだったしね……」

そう言ってステルスは微笑むと、いたずらっぽい視線をこっちに向けてくる