「真弓ちゃん、素敵なお名前ね、お母さんを守ってくれる強い子になりそうですね」


「はい!」


子供の話で盛り上がり、機は、あの空の近くまで来ていた


「……すいません、ご乗客のみなさんの中で、お医者様、いらっしゃいますか?」


キャビンアテンダントの声が響き渡る


「はい、私です、どうかしたのですか」


「あなた、お医者さまでしたの……?」


「黙ってた訳じゃないんですが、自分から医師だなんて言えなかったものですから」


「すみません、お医者さまで………」


ティアラは医者である証明をするため、名刺を見せた

「助かります、こちらに…」


「痛いよ!痛いよ!!お腹が!」


カーテンごしの向こうに
腹痛を訴え、もだえる小さな男の子


「どこが痛いの、私はお医者さんだから、もう大丈夫よ、お腹のどこが痛いの?」


子供はへそより下辺りを示した
ティアラは触診した


長年の経験が、その病を判断するに、時間は、かからなかった