パパは同級生

竹下は動けないでいる知沙を抱き抱えた。

「知沙さんですよね?」

竹下が一応確認した。

「はい!知沙って呼び捨てにして!」

知沙はそう言うと竹下の首に手を回した。

そこへ彩と制服を着た3人の警官がドタバタと慌ててやってきた。

「知沙〜!」

彩は真っ青な顔で知沙と竹下に近づいた。

「うん!ぜんぜん平気だよ」

知沙は竹下に抱かれたまま応えた。

「竹下ありがとう!あなたは知沙の命の恩人よ!」

「間に合ってよかったですよ!係長から指紋採取の話がなければ…たぶん…」

校長は制服警官に引き渡された。

「さぁ知沙行くよ!」

「私…しばらくこうしていたい」

「はぁ?」

知沙は竹下に抱かれたまま離れようとしない。

この時、彩は初めて知沙が竹下に一目惚れしたのに気付いた。

そう言えば…彩は、知沙の保育園時代の出来事を思い出していた。