彩は、身体に火照りを覚えながら家に着いた。不規則な仕事をしている彩にとって深夜の帰宅は珍しいことではない。

知沙もさほど遅く帰る彩のことは、気にせず寝ている。

冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取出しコップに注いだ。

その時…携帯が鳴った。

着信画面を確認する

<竹下>

「おいおい…竹下頼むよ!事件とか言わないでくれよ」

と独り言を言いながら携帯に出た。

「はい!山口」

「すみません!青少年育成活動は終わりましたか?」

と嫌な声…啓太の声が恋しいなどと彩は内心思っていた。

「何?何かあった?」

彩は不機嫌に聞いた。

「はい!殺人事件です。」

「犯人に明日にしてって言ってちょうだい!私、眠いわ!」

と竹下に言う。