その頃啓太は……

勇気を振り絞り、彩に電話してみた。

「はい！水上署でございます。」

と女性の声

「申し訳ありませんが、捜査二課の山口さんお願いします。」

啓太はちょっといつもより大人びた口調で話した。

「大変申し訳ありませんがどちら様でしょうか？」

と相手の女性が確認する。

あぁ…しまった名前言うの忘れた。

「山本と申します。」

と付け加える。

「しばらくお待ちください。」

　保留中の音楽が流れる…

その間啓太は、このまま受話器を置いてしまおうか？と緊張する気持ちに必死に耐えていた。