担任が教室に入ってきた。

「出席を取ります。」

と名前を呼びだした。

「青木、岩田、上田…」

名前を呼ばれるとみんな

「はい」

と返事をした。

そして、知沙の名前が呼ばれた。

「山口！」

知沙は返事しようと構えた。

その時…隣の席の啓太がいきなり立ち上がり…

「はい！」

と返事した。

今朝、起きてからもず〜と昨夜のことを何度も思い出し、山口彩のことばかり考えていので思わず山口と言う言葉に反応してしまった。

「おまえいつから山口になったんだよ？」

知沙が怒って、孟抗議をした。

啓太は、やっと我にかえり

「ごめん」

と顔を真っ赤にして言った。

「ばかじゃないの！」

知沙は啓太に罵声をとばした。

啓太は、知沙の顔を見て、昨夜会った山口彩と今、ここにいる山口知沙を比べて同じ山口でも、月とスッポンだなぁ？あぁ…彩ともう一度会いたい。啓太は再びため息をつくと外を眺め恋の病に入った。

もちろん、彩と知沙が親子だと気付くはずもなく…