彩は、いつものように啓太の部屋を訪れた。

いつものように呼び鈴を鳴らした。

「いらっしやい!」

と啓太が彩を出迎えてプチキスをすと…玄関に男物のと女物の靴が並んで置いてある。

「あら!お客さん?」

「うん親父が来てる。ちょうどよかった紹介するよ。上がって」

啓太は、普通にそい言う。

「けいちゃん、私は帰るわ」

彩は、青ざめている。突然の予期せぬ出来事で、取り乱している。

「大丈夫上がって!」

「啓太!お客さんか?上がってもらいなさい。」

奥から低いドスの効いた声がした。

しょうがない!彩は勇気を振り絞り父親に会う決心をした。

「はぁ…じめまして、山口と申します。」

彩は緊張から声にならない。これだったら凶悪犯を相手にしていた方がマシだと思った。

「こちらこそ初めまして、啓太の父親です。こっちは家内です。」

啓太の父は、けっこう今風の格好で、顔は啓太そっくりで40代に見える。実際は50代なのだが、隣にはどう見ても20代前半かと思われる女性が座っていた。